地熱住宅の原理は、伝統的民家【チセ】


(写真左)「夏のチセ」です。非常に風通しがよい構造です。
(写真右)「冬のチセ」です。雪が天然の外断熱になっています。
本格的な「地熱利用」
地熱住宅の原理は、アイヌの人達が住んでいた伝統的民家【チセ】から取り入れました。
チセとはアイヌの言葉で「われわれの寝床」という意味です。
この「チセ」を10年間研究していたのが、宇佐美 智和子さん(現在 玉川住宅総合研究所 主任研究員)です。
宇佐美さんが千葉県において初めて【地熱住宅】を完成させました。
そこで本格的に「地熱利用」がはじまります。
宇佐美さんは旭川郷土博物館の依頼を受けて「チセ住宅の温熱環境を解明」することに10年を費やしました。
極寒の地、旭川
実は、アイヌのチセ住宅は、文献等によれば、冬は暖かかったようです。
極寒の地、旭川において、チセの中は冬でも暖かく、また夏は非常に風通しがよくなる構造でした。
旭川は真冬には外気温度が「マイナス30度」にもなります。私達では想像もできない程の寒さです。
その寒さの中でも、赤ちゃんが生まれ、そして育っていました。
ところが、旭川郷土博物館が復元した「チセ」に冬場体験宿泊してみますと、
中は寒くて寒くて、とても赤ちゃんが生きていけるような環境ではありませんでした。
チセの原理の応用
そのため、旭川郷土博物館は宇佐美さんに依頼して「チセの秘密」を解明しようと試みたのです。
この10年間もの研究によって、「チセの原理」が解明されました。この原理を今の住宅に応用したのが「地熱住宅」です。
究極のエコハウス
写真は「チセ」の夏と冬です。
冬は雪(雪も断熱性能があります)によって「天然の外断熱」になっていますし、
外壁が笹であったため、夏は「笹の葉」が反り返り、風通しがよくなる工夫がされていました。
エコロジー・エコノミーの両方から、究極のエコハウスといえます。
多数の文献と証言において、その快適な住環境が言及されていますが、「なぜ快適なのか」という原理原則が判明していませんでした。
その原理を旭川郷土博物館と共同で研究し、その謎を一般住宅に応用しようと考えたのが宇佐美さんです。
まさに「地熱住宅の生みの親(母)」といえます。


